コーヒー王国
温度小町というヒロイン
第1話
ここは、コーヒー王国。
万能の神ミルを祀る、信仰深く、繁栄を保つ国。
学識を深めたい者はこの国を訪れ、戦争で戦果を上げたいと意気込む者もまた、この国を訪れるだろう。
この国には、厳格で誰もが目を細め、尊敬の視線を送る王が存在する。
その者、わずか
歴代の王と比べ、彼が最高であると答える老人たちは少なくないであろう。
彼は生まれながらにしての王。自らにも臣下臣民にも厳格であり、慈悲の心も持つその者。
名を、ビター・ドリップという。
彼は先代の王を早くに病で亡くし、孤独に溺れずにその責務を果たしている。
そんな彼を支えるのは、優秀な臣下、そして、これから支える、彼女の存在。
一国の王を支えるのは、なにも臣下臣民だけではない。
彼のプライベートを支え、彼の王としての職務を支える。
そう、妃の存在である。
コーヒー王国は、他国の侵攻をものともせず、外交でも、戦争でさえも、すべての敵を跳ねのけて見せる力を持つ大国である。
そんな国の国王であるビター・ドリップ。まだ若いとはいえ、将来の伴侶がいないというのはなかなか体裁も悪く、彼を支える大臣たちは急いで妃候補を探した。
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