第54話

夏休みは問題なく、終わった、と思う。


期間中のほとんどが勉強に消えていったけど、合間である不定期の休みにクラスの友達と遊びにも行けたし。


変化があるとすれば、律が”有言実行”したこと。



『その他の休みは全部。みおんの時間は僕のもの。』



そう宣言した通り、律が私の家に遊びに来るようになった。


お母さんにニヤニヤされたり、健全なお付き合いをしなさいなんて必要ない注意をされたりしたけど、休みのたびに家へくつろぎにくる律のお陰で平和に過ごせたと思う。



だっていつもは、暇さえあれば私の部屋に来る一花が、律が来てると知るなり姿をみせないから。



あまりに失礼な律の態度に、さすがの一花も心が折れたのかもしれない。



でも、一花は一花で健介を家に呼んだりデートしたり、あの特進の子たちと泊まりがけで出掛けたりと、なんだかんだ充実した毎日を過ごしていたみたいだった。

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