第53話

人はそれぞれ。そして持つ価値観を統一することはできない。



世間的にそう言われていようとも、全ての人たちが納得するわけじゃないから。



だからなのかな。私も一花の生き方を否定できない。



一花は一花の生活がある。それが私の生活を脅かそうとも、真っ向から否定するようなことはしたくないから。



まぁ、夏の旅行に関しては律のお陰で丁重にお断りできたわけですけども。



特進の子たちと楽しくやってくればいいのに、なぜ私も参加させようとするのか、今だに謎だ。


「分かる?私にも好みがあるんだけど。」


「僕のどこがいけないわけ?」


「自信がすごい。」


「え、当たり前じゃない?」



そう言いながらクネクネポーズをとる律に思わず吹き出してしまった。


そんな私たちを憎々しげに見ていた人がいたなんて考えもせず。

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