第53話

要は男性ってやっぱり、守ってあげたくなるような子が好きなのよね、結局。



なんてため息を吐いていたら、隣を歩く真姫がピタリと動きを止めた。



「真姫?」



睨むようなその視線の先を辿ると…桜森さん?



ものすごいイケメンが大学の門の前でニコニコ笑って立っている。



学生たちはそれを避けるように左右に別れているけど、明らかに目立っている。



まるで羊の群れが中央にいる犬を避けているよう、なんて思っていると、どこかで見た3人組が近づいていくのが見えた。



あの黒服2人と美女は…。



ていうかここ、大学なんですけど。明らかに関係者じゃない人たちが堂々と動き回っているのはどうなの?



「なにあいつら。自分家じぶんちかよ。」


「お口悪いですよ。」



真姫の暴言をたしなめるけど、ごめん、私もそう思った。

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