第8話
『…あんたの、せいよ。』
『ああ。そうだな。』
なんでもないことのように言う男の言葉に、湧き上がる怒りのまま睨み上げた。
だけど私を見下ろす男の表情を見て、咄嗟に俯く。
『…なによ。なんであんたが。あんたなんかが。』
ーーー私より、悲しそうな顔をしているのよ。
誉人とは、神の血を与えられた、選ばれし人々のこと。
その昔、愚かな人間が繰り返し争うのを退屈に思った神が自らの血を与えて人間を超越する存在を作った。
誉人は神の分身である。それはこの世界の住人ならば誰でも知っていることだ。
『すまなかった。』
『っっ、謝った所で、両親はっ、弟は帰って、こない!』
『そうだな。』
『っっ。』
男の冷静な肯定に傷ついている自分勝手な自分にまた、腹がたった。
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