「拾ったら責任持って最後まで飼わないと、な？」

「えええ、と。」

自分より財産も容姿も何もかも優れている完璧人間を拾ったと言われるのもなんかよく分からないけれども。

確かに拾ったといえば拾ったんだろうけど？

社長がなぜ峠にいたのか分からないけど、私も困ってたんだし…。

「あれ、は、お互い困ってたということで、拾ったというより助け合いでは？」

というのが、正解な気がします。

「いいや、君は確かに俺を拾ったんだ。」

「それは言い聞かされることでは、ないような。」

貴方は確かに私を拾いましたって面と向かって言われても、ああ、はい？としかならないんですけど。

もはや呆れている私に社長はお決まりのセリフを吐く。

「事実は事実だ。君に拒否権はないよ。」

こういう時も、イッケメーン。

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