第7話

「うぐおおお!全てはあいつが悪い!あ、ヤンキー!たち、は、帰ってるやん。うん。」



先程まで対岸で遊んでいたヤンキーたちは、いつの間にかいなくなっていた。



峠の休憩所のようなこの場所。見えるものといえばきったない自販機と入るのも憚られる小さな公共用トイレのみ。



薄ぼんやりと光るトイレ入り口の電灯には虫が集まっていて、今もよおせば自分の膀胱は終わりだと確信する。だって、入る勇気はないもん。



「クソッ。ヤンキーにスマホ借りようかと思ったのに!」



財布に入っているなけなしの3000円で誰かに代行業者に電話させてくれるように頼めたはず。



全く関係ない子たちなのにこの場にいないのに理不尽に怒りが湧いてくる。



「もう!どうすんのよ!車中泊?会社も無理やん!」



考えてみたら、この時間にお酒を飲んでしまったら仕事に間に合う時間に運転するのは不可能だ。

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