第73話 初心者の集い
さてさてさーて、デカイチゴ再販などが無事に終わったので和ノ国で旅をしましょうかなと。
クイーンは人の姿にて、一緒に行くことにしている。
互いに能面を被って、霜月町に到着した。エレモンルームという場所があり、ここではエレモンが過ごしたり、休憩させたりできる。
ついでにここで情報でも収集するかな(コミュ障なのでほぼ盗み聞き)。エレモンルームは自由に使える公の休憩所みたいなものだ。
その中にあるベンチに腰掛ける。こんなに堂々と能面を被っているので、俺だとバレることはない。
『主人公、ヤヨイ? はボルガンを連れてるんでしょ』
「そうそう。才能あるから勝手に良いエレモンが寄ってくる」
全ての才能を持ってるからね。因みに暗殺の才能とか、料理の才能とかも持ってるらしい。まぁ、エレモンのゲームでそんなの役に立たないけど。
『エレモンの言葉がわかるのよね?』
「エレモンの考えることが大体わかる才能があるらしい」
『リンゴが良いものか良くないものか、買う前にわかるのよね?』
「皮を剥く前にリンゴがシャキシャキかどうかわかる才能と、りんごの糖度が見ただけでわかる才能を持ってるらしい」
『なんなのよ。その才能は……』
ゲームじゃ使わないけど、あるんだからしょうがないよね。折角才能があるんだから、使わないのも損だろうし。
彼女が今使っているのかは知らんが。才能とかもどこまで使えて、どの程度なのか、ゲームだと主人公はデフォルトで話さないからそこらへん知らん。
才能があると言われてる。設定資料とかで一部の才能が載ってただけだしね。
「昨日か? 10歳の子達が旅に出たのは」
「あのほら、ヤヨイちゃん。凄かったわね。やっぱり凄く、人柄も良いし、既にAランクを手懐けてるし」
「あの子の両親は酷いことをする。一人きりであんな大きな家に住ませるなんて」
「ご両親お金持ちなんだろうけど、流石に一人で家に置いとくなんてね……弟のカガリ君もちょっと不良見たいだしー」
「ヤヨイちゃんは凄まじいらしい。圧倒的な力を感じるらしいし。塾でもダントツで一位だったらしい」
おや、どうやら情報収集は既に住んだな(盗み聞き)。既に主人公とかエレ塾を卒業した面々は旅を始めたらしい。
となると、隣町で最初のイベントがあるだろう。俺も行こうかな。
『アンタはエレモン連れてきてるの?』
「クイーンが言ってた。レベルがダウンしてしまったエレモンを5体ほど。全員レベル現在は1だね。あと卵一個」
『あら、レベル1なのね。それだと苦戦しちゃうかしら?』
「まさか、全員隠しステータスは振ってるし。振ってなくても負けないよ」
『そういうと思ったわ。アタシはね、その傲慢な言葉を聞くためにあえて質問したの』
あ、わざと聞いたんだ。まぁ、それくらい知ってるけどね。クイーンがわざわざそんな分かりきってることを聞く意味もないしね。
『隠しステータスは全員振り終わってるわね。最近ロストエデンで乱獲したからね』
「人聞きが悪いぜ! 行くと全員が無言で木の実を差し出してくるからもらってるだけ」
『そりゃ、スタードラゴ2体を完璧な状態で持って行って、雷神があんなに威圧してたら怖くなるでしょ。カツアゲしてるって思ってるわ』
「いや、違う」
『スタードラゴは惑星行く前に、これからアムダの為にカツアゲ行くかと言ってたわ』
おいおい、人聞きが悪いぜ。
「でも代わりに俺は野菜とかデカイチゴとかあげてるし」
『そうね。あの星のエレモンは基本的に全員、きのみ食べてるから隠しステータス振り終わってるしね。それならアンタのデカイチゴとか食べた方がいいわよね。餌付けね』
「餌付けも人聞きが悪いぜ!」
毎回、惑星ロストエデン行くとむっちゃ寄ってくるから困ってる。最初は怖くて、木の実をあげるから見逃してくれみたいな感じだったから、申し訳なくて……
デカイチゴとかあげたら、物々交換みたいになり始めてしまったし。いや、こっちとしては大量に木の実が手に入って良いことなんだけどね。
『あっちのエレモンが物々交換とかするから、情報も交換できるしね』
そう、その結果として隠しステータスとかを振れる木の実を発見した。しかし、惑星ロストエデンのエレモンによると、毎回木として成立するわけではないらしい。
『どこからきたんですか? って言ってたから、ちゃんと別の惑星って答えてあげたわよ』
「便利すぎる。流石はクイーンだ」
『まぁね。あ、そう言えば田舎民だから別惑星の常識には疎いって言ってた』
「あの星は田舎と言うわけではないと思うが」
『あと、今度からデカイチゴとか欲しいから色々集めておくって。珍しいのあったら拾っておくって言ってたわ』
ふむ、確かに惑星ロストエデンには珍しいアイテムとかがあったな。売れば高値になったりするし。
装備の素材とかもあるしね。珍しい鉱石とかってこっちの星だと高いしね。
おっと、考えすぎた。クイーンが見たいと言っている主人公を追って隣町に行こう。
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