和ノ国編
第71話 現れる天才
エレメンタルモンスターズ・パラダイス。と言うゲームは途轍もない人気だった。
しかし、最初から人気が爆発をしていたわけではない。第一部、そのゲーム性などが徐々に知れ渡り、人気となったのは発売から3ヶ月後だった。
そして、その人気ぶりからすぐに続編が決定した。元々後々のストーリー案などは定まっていたようだが、第一部の売り上げが低い場合は続編が作れないので、それは発表をしてなかったようだが。
さて、その続編は【第二部】と言われている。その舞台は和ノ国と言われた。
『あら、あれが最初の町』
「そそ」
──
霜月町は和ノ国の東部に位置する小さな山間の町で、冷涼な気候と清らかな自然に囲まれた静かな場所。主人公が旅を始める起点となる町で、エレモン育成の基本が学べる施設が整備されている。
『ここが始まりねぇ。まぁ、アタシもみたことはあるけど
この町は新米テイマーたちの登竜門として知られており、初歩的な試練を課す施設もあるのだ。
クイーンと一緒に和ノ国を回る話をしていたので、その約束を守るためにここに来ているのだ。
地形と雰囲気は和ノ国と言うだけあって、少し田舎の雰囲気がある。山と川に囲まれた地形で、霧が立ち込めることが多い。
町の中央には大きな桜の木があり、「霜月の桜」と呼ばれる町の象徴となっている。
『あー、この桜。見たことあるわね』
「この町の名物らしい」
『あらそうなのね。確かに桜饅頭とかも売ってるのね』
この町では服装が和風なイメージがある。浴衣的な服装を着ている人が多い。
建物も和風建築を基調とした木造の家屋が並ぶ。そして、町の中心にある「霜月堂」は、エレモンバトルや訓練のための道場として利用されている。
『ふーん、良い町ね。知っていたけど』
第二部の主人公を俺が操っていたとき、その時にこの町は訪れることは必ずある。だから、ゲームの記憶がある彼女はこの町自体は知っている。
「ゲームとの差異はある?」
『無いわね』
ゲーム時代と差異がないのか。さて、町を眺めているがこのままだと、顔バレしてしまう。
一応、10億賞金首だからね。色々と面倒になるし、1からやるにしても一度目立ってしまったから。
だからこそ、現在能面を被っている。そして、クイーンは人型で歩き、彼女にも能面を被せている。
『ふふふ、この町からスタートなのね。この主人公はアタシの元に辿り着けるのかしら』
「できると思うよ。今回の主人公は、前作よりも才能があるとされているからね。才能だけで言ったら歴代主人公No. 1らしい」
『そうだったのね。あまりそこらへんは詳しくないのよ』
第一部が人気を爆発したのだが、一部から反感もあったのだ。それは……DLC攻略が難しすぎると言う点だ。
当時、発売したばかりでバトルシステムやステータス事情が判明していなかったと言うのもあるが、【ディザスター】に勝てないテイマーが続出していた。
無論、そもそもファランのジーググラモン達にも勝てないテイマーも居たのだ。レベル100が平均だしね。
『アンタは戦う前に降参させてたけどね』
「そりゃ、俺だから」
『そう言う傲慢なところはいいところよ。伸ばしていきなさい』
「はいはい」
『はい、は一回と言いたいけど、王だからね。何回でもいいわ』
特にディザスターは急にレベル上がるし、装備は四つ付けてくるし、パッシブスキルも二つあるし、ステータス馬鹿みたいに高いし。
そりゃ勝てんって人が多かった訳だ。ユーザー数などが増えたことが影響して、次回作に意見を反映しようとして……
──主人公を超強化した
主人公が超強化されて、イベントなどが簡単にこなせるようになったのだ。設定としては全ての才能を持つ異質のテイマー。
・経験値2倍
・レベルアップ時のステータス上昇数、最大値になる確率アップ
・捕獲率アップ
・その他、全て才能あり
超絶馬鹿みたいな、スペック盛り盛り主人公くん、若しくはちゃんになりましたとさ!!!
『モエとどっちが強い?』
「今はモエだけど。もしかしたら、第二部の方が強くなるかも」
『そう? モエにはアンタが居るじゃない。アンタの育て方見てるわよ』
「あ、じゃモエだわ。俺達と一緒にいるんだから」
『そうよね』
まぁ、全ての才能がある代わりにその異形的な部分が怖くなった両親に別居されるんだけどね。
しかもライバル枠が弟って……おいおい、話が重くなるんだよ。案の定ちょっと重かったけども。エレモンってこう言う闇的な部分を時折出してくるんだよね。
『それより、この町って、田舎っぽいけど施設とかは充実してるのね』
そう、その通りだ。
・エレモンルーム。テイマーとエレモンが休憩するための施設。
・霜月商店:アイテムや装備を購入可能。初歩的なアイテムが中心。
・育成農園: グラスエレモン系のモンスター育成をサポートする施設。果物とかも売っている。
・道場「霜月堂」: 新米テイマーがバトルの基礎を学ぶ場所。
こんな感じで、沢山置いてあるなよね。あとで育成農園でデカイチゴ食してみようかな。他にも種とかあったら少し買おう。
『ねね』
「ん?」
『あそこに居るの……主人公じゃない? 男版でやってたアンタにそっくりの女の子居るわよ』
そういえば、主人公の性別って、女のを選ぶとそれより前の主人公の性別も同性ってことで話が作られるんだっけ。一々変えたりすると色々面倒だから、固定にしてストーリーは作ってると誰かが言ってたな
「あ、本当だ」
──そこには、主人公【ヤヨイ】が歩いていた。
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