第42話 太古の時代にレッツゴー
さて、初めて島に侵入者が来たのだが、その人物はファラン。太古の時代、『地ノ国』と言われる前に存在していた国の王様。
ファランは第一作ゲームのDLCコンテンツにて対戦ができる。平均レベル100だし、Sランク以上しかエレモンを使わない。合計で5体だし、GランクとLランクをそれぞれ一体ずつ保有している。
クリアした直後でも勝つのは難しいし、裏ボス的なのを倒した後でも、倒すのが難しい。
正直言えば、初見の俺も一度敗北している。いやー強かったね。しかも、『テラゴラム』なんて初見だしね。
DLCが発表された時は新たな敵と出会える! みたいな広告でファランの姿が出てきただけだったしね。困ったモンだよ。
急にレベル上がるし、ランクも上がるし、強いし。
2回目で勝ったけどさ。このファランが強すぎてちょっと炎上して次回作のレベルが大きく引き下げられたのは内緒である。
「戦ウ前に、戦意削ガレタ、コンナニエレモンが居ルナンテ……」
そりゃ4000体以上こっちは待機させてますからね。
「アムダ様!? この人は誰ですか!? なぜジーググラモンを持っているのでしょうか!? ワクワク!!!」
ファランは一応、侵入者なので紐でぐるぐる巻きにしている。その姿を見て、ラリラ博士は目を輝かせている。彼女がジーググラモンを持っているからだろう。
「えっと、確か古代の王女、『マティアラ』と言う国の王。ジーググラモンは彼女の一族が叡智を結成して作ったんだ」
「ええええ!? すげぇ! 名前は聞いたことありますよ!! でも、アムダさまよくそんなこと知ってますね!」
「──ッ!!?!!!? ナ、ナゼ知ッてる!?」
あ、王女様がめっちゃ驚いている。まぁ、まだ素性は言ってないのに目の前の子供から言われたら驚くよね。
「改造エレモンってことですか? ジーググラモンは」
「そう言うことになる……かな」
「そうでしたか」
クイーンもそうだけどジーググラモンも改造エレモンなのだ。クイーンは一応現代での改造されたエレモン、ジーググラモンは古代に改造されたエレモンらしい。
嘗て、超古代の文明はジーググラモンによって滅ぼされてしまったらしい。力が暴走をしてしまったとか。これはよく、文献にも書かれている。世界を焼き尽くす勢いだったとか。
彼女はその後、それを手懐け再び文明を再開させようとした。しかし、ジーググラモンの脅威を恐れた他国も改造エレモン、化学兵器を開発したのだ。
──信じられないが、改造エレモンと化学兵器を融合させた存在
を、現在の『魔ノ国』、かつては『ディアボレア』と言う国が作り上げたのだとか。それとジーググラモンが戦うのだが……負けてしまったらしい。それによって、国が滅んでしまい、それを助けたいファランは過去に戻ることを決意した。
──そして、国を救えるほどの存在、強いものが現れるまで、隠れることにしたらしい。
だが、中々英雄は現れない。なので現れるまで長い眠りにつくことにしたのだ。
眠りにつくまでの間にタイムマシンを開発し(古代の技術やばい)、そのエネルギー源はジーググラモン。ジーググラモンは永久機関とも呼ばれるエネルギーの宝庫。時間を超えることができるらしい。
それによって、国を救って欲しいのだとか。
ざっくり言うとディアボレアの、改造エレモン兵器を倒す。と言うのが目的でありクリア条件である。
ディアボレアの改造エレモン兵器は結局暴走して、ディアボレアを滅ぼしてしまったとか。ここから改造エレモンは大体暴走するのは全てのシリーズでお約束になっていく。
歴史を変えることに成功すると、ジーググラモンを仲間にして現代に帰ることができる。そこでファランとはお別れとなる。
「妾ノ国を救っテ欲シイ……」
「◾️◾️っ」
ファランのジーググラモンは申し訳なさそうな顔をしている。うーん、どうしたものか。俺のジーググラモンもジッとファランを見ているが……一応というか、元は彼女のエレモンなんだよね。
これが難しい所と言うか……うんー。
ジーググラモン的にも一緒に戦ってはあげたいと思うんだよ。クイーンが言っていたがゲーム内での記憶がちゃんとエレモンにはあるらしい。
『その通りよ。アタシもだけど、ジーググラモンもちゃんと記憶はあるわ』
クイーンはどこからかこっちを見て状況を把握しているのだろう。それに加えて俺の頭の声を聞いて整理もしてくれる。ついでに4000体の統率もしているのだろう。
え? やばくね?
『当然ね。クイーンなのだから』
優秀すぎて怖い……うーん、ファランには申し訳ないけどこれは来られても、負ける要素はないなぁ。
話は変わるが……これは助けてあげる方向にしたいなぁ
『良いんじゃない?』
そうだなぁ。確かにそうだよな。ジーググラモンはそうして欲しいって思っているだろうし。
頼みを聞いてあげたいと思っているはずだ。
なら、俺のすることは決まっている。
「いく、国を救いに……」
「ええ!? アムダ様、行くんですか!? 超ワクワクしてくる展開じゃないですか!!」
「本当? アリガタイけど、コノ拘束を解イテ」
うむ、一応侵入者だったから紐でぐるぐる巻きにしてしまったがすぐにやめてあげよう。
自由になった彼女は背伸びをして太陽を浴びていた。
「タイムマシン、作っタ」
「たあああああああああ!? タイムマシンですか!? はぁ!? どうやってですか!? か、化学を超えてますよ!? 僕天才なのに!?」
「ん? 天才ナノに、ソンな事デ驚くノダナ?」
「驚きますよ!」
「天才ジャナイんじゃない? ダカラこの程度で驚クンダロウ」
「アムダ様、こいつ殴って良いですか?」
あぁ、古代は天才のスケールも大きいから仕方ない。古代の王女は本当に頭がいいって言うか、頭良いとかそう言う次元じゃないって言うか。
タイムマシン作るってやばいだろ。エレモンにも時間を操る存在が居たりするけども、それを素でやってしまうのは化け物すぎるだろ。
と当時から思っていたが、まぁ、古代の知識はしょうがない。
俺も時間操ったり、時空壊したりするエレモン持ってるしね。2体くらい。まぁ、どんな影響が世界に出るかわからないから使わないけども。
「英雄、名前ハ?」
「アムダ」
「妾ハ、ファラン。王デあり、王女。ヨロシクな」
「あ、はい」
うむ、相変わらず緊張をして目を逸らしてしまうな。いやしかし問題はあるまい。
会話には困っていない。ふふふ、最近はだいぶ会話も出来ているからな。
俺はゲームでは過去に行ったが、生身で行くのは初めてだ。楽しみもあるが緊張もある。
それに太古の時代は戦争があったらしい、今より物騒な世の中だし。エレモンも戦力として兵器として使われていたから凶暴だ。
連れて行くエレモンもそれなりでないといけない。
ジーググラモン、クイーンフォックス、テラゴラム、ウミノゾア、エクリプス・ファントム。
それに加えて……ダークヴォルニアを連れていこう。これは第二部、にて現れるLランクエレモン。
超好戦的なエレモンで、二部のメインエレモンでもある。パッケージにこいつが載っていたしな。
全長2メートル。
「雷と闇を操るドラゴンのようなモンスター」。見た目は、大きなトカゲに翼がついていて、全身は黒くて光る金色の線が入っている。目は赤く光っていて、ちょっと怖いけどかっこいい。
超攻撃特化のエレモン。第一部のエレモンは基本的にステータスはバランスが良い。しかし、こいつは攻撃特化。
二部からステータスにばらつきが出てくるのだ。
まだ、エレフォンから出していないが、古代でも活躍してくれるはずだ。よし、このスタメンで行くぞ。
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