次への空想

 曲作りは最初に千尋が作りたい曲のイメージを考え、それをもとに私が詞を書き、美波が作曲をやっていく。できたそれに千尋や私の歌声を入れる。

 はじめは1人で全てやっていた。そんな時、私が動画投稿サイトで出した曲のカバーをして動画投稿をしてくれていた千尋から連絡があり、一緒に作業するようになった。

 その数ヶ月後、色々あって美波も一緒にやるようになった。


「次の曲はどうなるんでしょうか、今回は少し明るめだったので、少し暗い内容になりそうな……」

「そうかもしれないね」

「千尋の頭の中にある世界観はとっても面白いですよね。まぁ、姉様ほどではないですけどね」

「いくらおだててももう頭は撫でないよ?」

「むぅ……けちです姉様は!」

「はいはい」

「次の曲ができたら姉様にはハグしてもらいますから!」

「……はい?えっと、ハグ?」

「あぁ、抱擁って言った方が良かったですか?」

「そういう問題じゃないと思うな」

「とにかく、今は来た評価をもう少し見てみませんか?」

「そうだね」


 結局美波は深夜2時半ごろ眠りについた。普段は4時前後まで作業している。


※ ※ ※

4時半頃


「あっ、新曲が出てる。チェックしなきゃ」


 通知によって新しい曲が出たことを知った私は、急いで動画配信サイトを開いてそれを聴く。


数分後……


「何、これ……なんで、なんで妙な懐かしさを感じるの……?」


 「胸が痛い……くるしい……どうして今、こんな……」

こんなに苦しい気持ちになるんだろう。


どうしてあの子を思い出すのだろう。



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