私と可愛い幼馴染み
第2話
「ねえ、聖夏って好きな人いるの?」
突然隣から充玖が聞いてきた。今は登校中。重たいカバンを背負っていつも通りの道を歩いていたのに、いつも通りではない質問に一瞬戸惑う。
「い、いると思う?」
とっさに聞き返してしまった。
「うーん、どうだろ。美人だし笑顔がすごく可愛いから聖夏のこと好きな男子はいっぱいいるけどなぁ」
可愛い充玖に言われても説得力なんてない。そう思い、チラッと隣を見るとまだ真剣に考えてい姿が見えた。
「いるよ。でもナイショ!」
口の前に人差し指を立てて言うと、「えーっ!」という抗議の声が聞こえてくるかと思ったら、意外にも少し残念そうな顔をして一言「そっか」と言うだけだった。
「ほ、ほら!早く学校行こ?今日は充玖の好きな家庭科の授業の日だよっ!」
もう既に見えている学校を指差して充玖の手を引っ張った。
「えーっ!走るの!?ヤダァ。まだ時間大丈夫じゃん!」
文句を言うわりにはちゃんと走ってついてきてくれるんだよね。それは小さい頃から変わらない。友達以上恋人未満でもいいから、もう少し…もう少しだけ君の隣にいさせて?
充玖にはバレないように心の中でそうつぶやいた。
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