第70話
すっごく可愛くて、手に乗せたそれを食い入る様に見つめていると、俊ちゃんが横から覗きこんで、
『可愛いね。ひよりに似合いそう。買ってあげるよ?』
と、優しく微笑んだ。
でも、チラリと見た値札にビックリ。
(ここ雑貨屋さんだよね?0がひとつ多いんですけど!)
そう内心叫びながら、もう一度桁数を数えてみる。
やっぱり0が多い!
こんな高価な物を雑貨屋のオープンケースに陳列していいんですか!?
ジュエリーショップのガラスケースに入ってた方がしっくりくる様な金額のネックレスに、1人目ん玉飛び出してると、俊ちゃんがあたしの手からそれを拾い上げてレジに向かった。
あたしは慌てて追い掛けて、
『高いからやっぱりいいよっ』
と俊ちゃんの腕を引っ張るけど。
『ひよりに似合いそうだから、俺が欲しいの』
と、あたしの手をとって再びレジに向かう俊ちゃん。
(やばい。瞬殺された)
俊ちゃんの眩し過ぎる笑顔に、あたしはやられてしまった。
『はい』
小さなジュエリーボックスに納まったネックレスをあたしの手に乗せる俊ちゃん。
その俊ちゃんの顔を見上げれば、優しく微笑んでて。
あたしは人目も憚らず、俊ちゃんの胸元に顔を埋めて抱きついた。
そんなあたしの頭を、俊ちゃんは優しくポンポンしてくれて。
『甘えるなら2人きりの時にしてくれる?』
と、おどけて見せる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます