第6話

『はる音、好きだよ。』







そう言うと、決まってはる音は、背中に手を回し抱きついてくる。

そして、ふふ、と笑ってありがと、と言うだけだ。



それが、応えだと思いたい。




だが、同じ言葉が返ってくることは、ない。




























ただ、はる音は、いつも、





泣きそうに、


消えそうに、


申し訳なさそうに、笑う。















まるで、“応えられない”ことを謝るように、笑う。













ずっと、表情は、見えない。

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