第3話 登録と苦戦
翌朝、目を覚ますと体の節々が妙に痛んでいた
「やっぱり家のベッドが一番だな…」
そう言いながら、顔を洗うため、教えてもらった井戸へと向かった
「うちの宿への文句かい?気に入らないならさっさと出ていきな」
「す、すいません…」
顔を洗い宿で朝食を取っているとレオンが訪ねてきた
「やあヒロト!朝食中にいきなりすまないな!」
「相変わらず声大きいですねレオンさん」
「む、その堅い感じはやめてくれ、距離感を感じる」
「いきなり人は変われませんよ」
「それはそうだが…まあ朝食を取り終わったら宿から出てくれ、君の身分証を作らねばならないからな」
「もしかして、冒険者ギルドですか?!」
「そ、そうだ」
⦅食いつきがすごいなヒロト……憧れていたのか?⦆
そうして素早く朝食をとり終わり、外で待っているレオンと冒険者ギルドへ向かい始めた
「しかし大きな街ですねえ、どこも賑わってるなぁ」
「ここヴェラルガは王国内でも3本指に入るほど大きいからな。賑わっていないはずがないさ」
「そういえば冒険者ギルド以外のギルドってあるんですか?」
「もちろんあるぞ。有名なのは錬金術ギルド、別名産業ギルドとも言われている。その名の通り錬金術系を扱っているところだ。入ったことがないからなにをしているかは分からないけどね」
「鍛冶ギルドってあります?」
「あるとも!鍛冶ギルドと冒険者ギルドは連盟関係にあってなぁ、防具武具はほぼすべて鍛冶ギルドから作られている物さ」
「ほぼすべて?全部じゃないんです?」
「それは...とこの話はまただ、着いたぞ」
(これが…あの、冒険者ギルド…!)
目の前には大きな剣と盾が描かれた石造りの建物。
なんだか、ゲームの世界の中に入り込んだような感覚だった
「でっけ~…どう建てたんだろうか…」
冒険者ギルドに入り、受付へと歩き
「こんにちわ!登録の方ですか?換金ですか?」
「彼を冒険者として登録したい。手続きを頼む」
「かしこまりました!ではお名前と年齢、性別を教えていただいてもいいですか?」
「え?こういうものって自分で書いたりするものなんじゃ…」
「読み書きできる人って珍しいんですよ?」
「なるほど~、あっ名前は弘人で、年齢が17の男です」
「ヒロト様ですね、ではこちらの鑑定用水晶に手をかざしてください。貴方に合うジョブがすぐに分かります」
分かりましたと言い水晶に手をかざすと水晶が淡く青く光り、すぐに収まった
「…あっもう終わり?はっや」
「剣士、狩人、支援魔法士の三つですか。しかも支援魔法士、結構珍しいジョブなんですよ」
「へぇ~、ちなみにどうやったらジョブに就けるんですか?」
「皆さん最初は武具を買い、その後自分に最も合っていたジョブに就いていますね」
(なるほど、つまりバイトから就職みたいなものか…いや違うか)
そうして僕は、冒険者へとなった。武器もレオンがそれぞれ購入してくれ、軽く慣れようということで近くの森へ入った
「いきなり実戦かぁ...不安だなぁ…」
「誰しも最初はそんなものさ、いきなり出来たらこわいだろ?」
「それはそうだけど…」
「っといたな、危険度は低いが油断してはダメだぞ」
「分かってるって…」
僕の初めての相手はスライムだった。プルプルとゼリーのような見た目で、穴が開けばすぐ破裂しそうな丸いボディをしていた
「斬撃攻撃に耐性があって、切れば分裂するんだっけ?」
「ああそうだ。無理に切るより叩き潰すほうが速く倒せる」
…初戦闘はとても無残なものだった。剣を振りかぶって一気に斬りつけ――
「うわっ!?」
力みすぎて、剣はスライムを逸れて背後の木に突き刺さった
慌てて引き抜こうとするが、体勢を崩して後ろに倒れこむ
「つ、潰せばいいんだった!」
そのまま地面を拳で叩くが、スライムはぴょんと横に跳ねて回避
結局、汗だくになりながらも、何とか3匹倒すのが精いっぱいだった
「ヒロト…君にその剣は長すぎるか重すぎるんじゃ…」
「そうだな…僕にはゲホッ、合わないかも…」
そうして一日で3匹しかスライムを狩れなかった僕は後日弓を持って再戦することにし、宿へと帰宅した
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