第6話 カレーを食べる

 異世界生活2日目。

 いろいろ考えてなかなか寝付けなかったがそれでも朝は来る。

 目覚ましもセットし忘れて寝てしまったが起きたら8時。

 まずは何をしよう?

 顔を洗いたいし、洗面器にお湯貰いに行くか。連泊も伝えないと。

 洗面器とお金も持って受付に行くことにした。



「おはようございます。もう1泊したいのと、お湯をください」


「おはよう。昨日は寝られたかしら。お湯持ってくるわね」


 お湯と銀貨6枚渡された。

「…?」


「昨日、旦那とも話したんだけど、ここに居て良いわよ。代金も無くて大丈夫だから。おばあちゃんも助けてあげてって言ってたしね。だから昨日の代金も返すわ」


「いやいやいや、それは困ります。そんな申し訳ないです。それに持っている魔道具で多少のお金はありますから」


「そうかも知れないけど、生活基盤を整えるのにも色々とお金がかかるんだから取っておきなさい」


 お金の渡し合いになる。

 結果、最初の6000イエンは受け取ってもらって、今後は食費として毎日1000イエンを払う事になった。払えない時は払わなくていいとの事。


 ご厚意に甘えることにした。

 早く自立して恩返しできるように頑張らないと。



 お湯を受け取り一度部屋に戻る。

 顔を洗い、まずは、今日のお金。と言うことで麻雀をする。


□麻雀□

アプリ内所持金0イエン・プレイチケット1枚


【ログイン2日目達成!プレイチケット1枚獲得しました】

 チケット2枚になったから2回プレイしよう。

 今日は3人麻雀で東風戦と半荘1回ずつやる。

【10400イエン獲得しました】

【17100イエン獲得しました】

【5回勝利!プレイチケット1枚獲得しました】


(ふう。今日もなんとか勝てた。東風と半荘はどっちがいいか分からないな。)

 今回も現金に両替する事にした。

 今の手持ちは39000イエン。



 9時頃になったので昨日の本を読ませて貰おうと受付に行く。

 昨日と同じ奥の部屋に案内されて、本を読む。


 ヨーコさんがこの世界に来た時に持っていた物で魔道具になったものが書いてあった。

 ショルダーバッグとスマホとエコバッグとその時買っていたカレールー。無限カレールー。

 他の食材は食べたら無くなったらしいがカレールーは使ってもずっと補充されるよう。


 だからここで、毎日作ってるのか。

 昨日よりも落ち着いているからなのか、頭に入った。


コンコン

 扉のノック音がする。

 返事をすると、アビーさんがカレーライスを持って来てくれた。

「まだお昼には少し早いかもしれないけど、良かったら食べて!」


 いただくと甘口カレーライスだった。

(ああ。息子さんが居たから甘口だったのかな?)

と、思っていると涙が出てくる。

 もう帰れないんだろうな。という思いが涙になる。


「ちゃんとカレーライスだったかしら?」


「ちゃんとカレーライスですよ。故郷のカレーライスです。とても美味しい...」


 泣きながらカレーライスを食べ終え、アビーさんに聞いてみる。


「ごちそうさまでした。そういえば、お祖母様が持っていた魔道具ってまだ持っているんですか?」


「あるけど、もう使えないわ。記名していたから本人が亡くなると使えなくなるのよ」


「名前を書くって事ですか?」


「そうよ。ステータスで持っている魔道具を選ぶと名前を書ける。名前を書くと紛失しても手元に返ってくるの。ただ、譲渡したり売ったりは出来なくて、持ち主が亡くなると使えなくなるのよ」


 なるほど。バッグとスマホは名前記名した方がいいな。

 ヨーコさんは無限カレールーに記名しなかったのか。

 私も無限ティッシュは記名しなくてよさそうだな。


「聞いていいのか分からないんだけど、さっき涙拭いてた物って何かしら?」


「ティッシュって言うんですけどこの世界に無いんですか?」


「見たことも聞いたことも無いわ。涙を拭くためのものなの?」


 10枚ほど出して渡す。

「これは、本に使われてる紙を柔らかくした物で涙も拭けるし鼻水も拭ける紙です。何枚か重ねればトイレでも使えますよ。葉っぱ代わりに。魔道具で無限になったものだから、いっぱい渡せるので使ってみてください」

 追加でポケットティッシュをシュッシュッと何枚も取り出す。

 大量に出したティッシュをなるべくキレイに重ねながら、仕事を探すことを相談する。


 この町の中心地に町役場があるらしくそこで適性を見て仕事を選ぶらしい。

 適性がある仕事しか就けないようだ。


「役場に行けば、仕事も何かしらは見つかると思う。だけどおばあちゃんが持っていた無限カレールーのようにあなたも無限ティッシュという物があるでしょ?おばあちゃんが持っていた魔道具と同じ様な物なら、レベルアップで違う無限の物が出てくるかも知れないわ。それで売れそうなものとかあればお店とかも開けるんじゃないかしら?多分その方が稼げるわよ?」


 ヘアブラシに付与魔法を付けるのに役場に行くから、一応ついでに適正とか見てもらってどうするかを決める事にした。


 部屋に戻り□ステータス□を開きスマホとバッグに記名をする。

 名前を入れるだけの簡単作業で無くしても戻って来る記名式魔道具になった。

 

 そして□ステータス□を開いて、そこから魔道具の項目スマホをタップしレベルの確認。


スマホ(lv.1)12/100

アプリ数ーーー7


・使用1時間毎に1経験値獲得

・アプリショップ購入1回毎に1経験値獲得

・アプリ麻雀プレイ1回毎に1経験値獲得


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 次に収納バッグを確認。


収納バッグ(lv.1)14/100

容量1L


・使用1時間毎に1経験値

・入れた事の無い物を入れる1経験値


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 最後にティッシュを確認。


無限ティッシュ(lv.1)41/100


・使用1枚毎に1経験値

※取り出しただけでは経験値になりません

※使わず捨てた場合も経験値になりません


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 確認してみたら経験値について書いてあった。

 レベルアップしたらどうなるのかは分からないが、多分バッグは容量増えそうだし、スマホはアプリとか機能が増えそう。違うかな?

 ティッシュはアビーさんが言っていたようになれば、増えるっぽい。


 レベル上げだと、スマホとバッグは使用時間がメイン。

 経験値的にバッグは持っているだけで良さそうだから寝る時も持ったままにしてみようと思う。

 スマホのレベル上げは難しそう。外で使うと異世界から来たとバレる可能性があると言われているから部屋でしか使えない。


 ティッシュは1番レベル上げがしやすい!

 トイレだったり朝起きた時鼻炎になる時に使ったりで結構使っているし、今後も絶対使う。

 あげたティッシュも使われたら経験値入るのかは後でステータス見ながらアビーさんに使ってもらおう。




 魔道具の確認も出来たので、一度役場に行ってみる。

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