第339話 みんなで攻略
こんにちは。ロウです。野生のワニがいないな。
今、アリゲイルの街のダンジョンを攻略している。街は殲滅が完了しているけれど、生き残りがダンジョン内にいるかもと思って、隅から隅まで探索している。それなのに、全く野生のアリゲイルに出会わないんだ。
「うーん、周囲から襲われていたから、あまり街を離れられなかったのかな?」
「そうかもしれないですね。毎日、戦っていたんですよね?」
「調べた範囲では、そうだね。他の群れは、冬を越すための食料が足りなかったんだろう。二つの群れに、それぞれ別の方向から襲われていた日もあったよ」
「仲良く一つの群れには、成れないんでしょうか?」
「仲良く成れたら成れたで、ダンジョンがなくなっていたかもしれないけどね。結構な数だったからな」
「あぁ、食べ尽くしてしまうんですね。ダンジョンの消滅ですか」
「次のダンジョンがどこに、いつ出来るのかも分からない。群れは、滅んでいたかもしれないな。人にとっては、嬉しい事かもね」
「私達にとっては、今の方が幸運なんですよね」
「そうだね。冒険者証がなくても入れるし、いつでも使える未管理のダンジョン。ムルルは頑張れば冒険者になれるけど、ゴーレム君は無理そうだからね。まあ、幼霊状態なら中に入れそうだけど、ゴーレム君は嫌だよね?」
『うん、あまり体から出たくない』
「そうなると、ゴーレム君のためにも、こういうダンジョンは今後も確保していきたいよな。まあ、まずは、このダンジョンから、しっかりと確保していこう。外の工事も待っているからね。頑張ろう」
『うん。ダンジョンも、工事も頑張る』
ゴーレム君にとって、魔導兵器は体。幼霊状態はいわば、幽体離脱に近いのかな。離れることは出来るけど、体が心配になるし、落ち着かないんだろう。
そもそも、幼霊という種族が未知だよな。他の同族は、どこにいるんだろう? 幼霊も、妖精の様に宝石から生まれたんだろうか? 復元していない本とかに、情報があるといいな。
上位種も出てきたが、戦闘に苦戦はすることはない。ちなみに上位種は、剣と盾持ちのナイトクラスと水魔法使いのメイジクラスだった。
宝箱探しも順調だ。だいたい予測位置にあるので、困っていない。全体を地図を描くのに、時間がかかっているけれど、ムルルのおかげで通常よりも早いくらいだ。
俺も絵を描いて、描画スキルを手に入れた方がいいかな。今後は、ボス部屋でムルルに、絵の描き方を教えてもらうのもいいのかもな。
時間はかかったが、ボスの階層に到達した。
「まずは、ロコから行こうか?」
「ぷるるっ」
「ここならウッドゴーレムが使えるから、苦労はしないよ」
「ぷるっ!」
「戦闘は頑張ってね、ロコ」
「ぷるるっ」
元気よく機嫌よくボス部屋に入っていくロコ。呼び出したウッドゴーレムも入って行って、扉が閉まっていく。ロコは、宝箱を開ける事に、苦手意識が付いたよな。宝箱を開けるのが、楽しくなる魔道具とか作れないかな?
中ではボスが生み出されたようだ。おっ! 一匹なのか。群れも出てくると、思っていたんだけどな。
その分、強いんだろうけど、ロコの前では、逆に数が少なくて楽だと思う。
あっさりと一撃で終わらせて、ボスをウッドゴーレムが引きずっていく。報酬部屋から気配が消えたので、無事に宝も回収したんだろう。
「次はウルだ。出来たらボスも、外まで運んで欲しい。お願いね」
「グルッ」
ウルに関しては、何の心配もない。あっさりと凍らせて、運んで行った。宝も問題なく回収して、外に出たんだろう。
バロンの時は、ウッドゴーレムを一緒に行かせたけど、その後のフェリナ、カラは一人で行った。
次がゴーレム君だ。
『頑張ってくる』
「ゴーレム君、行ってらっしゃい」
ムルルに見送られて、一人でボス部屋に入っていった。ゴーレム君も、一対一の方が楽だろうな。
左ヒザ魔導砲を使うことなく、あの不思議な無属性魔力を
心配になるのは、ここからかな。牧場組の九人だ。
数的には、三人組が三チームの予定だったけれど、みんなと話し合ってチームを決めたら、三人組が一チームで、二人組が三チームになったよ。
牧場組の一番手は、マーシュとマロウの二人チームだ。
二人は、連携が得意なファットダック達の近接戦闘担当コンビだ。中途半端に三人になるよりも、二人の方が戦いやすいらしい。
『ボス、行ってきやす』
『しっかりと怪我なく倒してきますよ。安心して見ていてください』
『おう、行ってこい! あぁ、二人の戦いを見させてもらうよ』
気合の入った二人を見送る。
扉が閉まり、現れるボスの気配。マーシュとマロウが、お互いに激励スキルを発動した。
マーシュが横から回り込むように走り、マロウが真っ直ぐボスに突っ込む。
それに対して、ボスは前から来るマロウに噛みつくつもりのようだ。もしかしたら、そのまま食べる気かもしれない。
丸く太ったアヒルを食べようとするワニ人間。だが、突如地面から伸びる柱に口を閉じられ、その鎧を着た胴体に強烈な張り手のような翼の一撃。
マロウは、
怒りで剣を振り上げ反撃しようとするボスだが、忘れてはいけないもう一人。
横から、マーシュが、
ただの太ったアヒルと
宝箱を開けるのは問題ない。ファットダック達は、翼とクチバシで器用に開けられるんだ。二人とも剛力スキルと
二番手は、ファットダックの残りの三人。モッチルとディンゴ、ラティマだ。
三人は、
「グワッ。グワワッ、グワッ!」『ボス。リーダーのあたしがいるから、安心してください!』
「グワッ! グワーッ!」『ボス! 行ってくるよー!』
「グワワッ、グワ」
ディンゴは、魔法で戦う作戦なので安全です、と言っているようだ。
「信じて見ているよ。頑張ってこい」『信じて見ているよ。頑張ってこい』
三人を送り出す。ボス部屋に入っていった。扉が閉じる。
中でボスが現れた。三人が激励スキルを発動する。戦闘開始だ。
三人の魔力が動く。ゆっくりと歩いて、余裕を見せているボス。見た目は、美味しそうなエサだもんな。
近付く前に、最初の三連撃。水の砲弾がボスを襲う。
予想外だったのか、避けることも出来ずに、転倒して後ろに倒れて、地面に兜ごと頭をぶつけている。
その間も、油断することなく、魔法の準備に余念がない三人。起き上がり怒りで走り出そうとするボス。
こちらは準備万端で、地面から伸びる石の槍。狙いがずれて、首ではなく鎧に防がれるが、ダメージは大きいようだ。そうして再び倒れたボスへ、二つの水の砲弾が飛び、頭に叩きつけられる。
兜が吹っ飛んでいった。チャンスだな。頭をふらつかせて、まともに立ち上がれないボスへ、最後の水の砲弾三連撃。何もできずに倒れたボス。
三人でボスを報酬部屋へ運んで行った。そんなに心配することもなかったな。
三番手、四番手は、ブレイザ達四人が二人ずつに分かれて、ウッドゴーレムをそれぞれに付けている。
戦いに関しては、ファットダック達よりも前から訓練しているし、強いので心配はない。宝箱を開けたり、宝を運ぶのが大変だけど、ウッドゴーレムがいるので問題はないね。
最後は、俺とムルル、リンだ。まあ、戦うのは俺だけなんだけどね。
『それじゃあ、行こうか』
『はい。後ろで、激励スキルと応援をしています』
『リンも、応援頑張る』
『あぁ、応援よろしくね』
三人でボス部屋に入っていく。背後で閉まる扉。現れたボスを記録する。
『お父さん、頑張ってー!』
『ロウ兄さん、頑張れ!』
ムルルが激励スキルを発動したので、自分でも激励スキルを発動する。
『すぐに終わらせてくる』
念のため、二人に結界を張って、ボスに接近する。
口を開く前に、サンドハンドで拘束と口を封じる。情報閲覧発動。
【名前】なし(アリゲイル)
【レベル】30
【クラス】クラッシャーLV15
[設定可能クラス]
パワーLV1、ファイターLV1
【称号】未設定
[設定可能称号]
なし
【加護】迷宮の門番(15階)
【スキル】牙砕LV20、
【魔法】なし
やっぱり、クラッシャークラスだったな。クラッシャークラスは、群れが一緒に出てこない事が多いのかな。
素早く抜いたミスリルの長剣で切り、動けないボスを仕留めた。さっさと収納して、二人の結界を解除する。
『さぁ、報酬部屋に行こうか』
『お父さーん、すごーい!』
『本当に凄いです。剣で切ったのが見えませんでした』
『まあね。速さの剣士と言ってもいいかな。素早く切るのが得意なんだ』
『リンも、シュパッってやりたい!』
『リンが剣士か。それもいいな。今度、リン用の剣を作ろうか。少し待っていてね』
『はーい。リン、待ってるね』
リンを肩に乗せて、ムルルと報酬部屋へ向かう。
宝箱の中身は、後でみんなのとまとめて確認するので、さっさと収納して、出口の魔法陣へ向かう。
リンが剣士か。妖精剣士って響きはいいよな。威力的にはどうなんだろう? 氷結魔法で切る方が強そうだけど、それならそれで剣術スキルは無駄にはならない。リンが好きなようにやらせてみようか。
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