第47話

ふと翼が気にかけている後輩が

観客席に向かって大きく手を振っている



その視線の先を釣られて見ると

先ほどの彼女がそこにいた



柔らかそうなふわふわした髪の毛

白い肌、小柄で大きな瞳



その瞳とまた目が合った




再び込み上げてくる感情に支配される




「義一?おい、大丈夫か?」




名前を呼ばれハッとする



彼女から視線を外すと理性が働き

落ち着きを取り戻そうと息を吐く

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