第40話

でもどこか憎めないのは

こいつの泳ぎがどこか他のやつとは違って

いつも必死で切羽詰まったような鬼気迫る表情をするからだった




いつも調子良くてヘラヘラしている

底抜けに明るそうな何も考えていないような

ちゃらんぽらんなのに

スタートに立つと目の色が変わる



そこが気になってあいつから目が離せないでいる




部活を仕切るものとして

後輩たちは分け隔てなく面倒をみているつもりだが

あいつだけはなぜか目を離すと危ない気がしてしょうがない




そんな後輩にかまけてたら目立つ幼馴染

二人にも変化があった



いつも仏頂面で表情の変化もほぼないような

あいつが今にも泣きそうな顔をして一人の生徒を見つめていた



バカみたいに手を振っていた花宮の友達か?

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