第82話
病院に着き、ララの元へ。
『ララ。』
名前を呼べば、こちらを向くララ。
『ラーラ。』
首元、耳後ろをくしゃくしゃっとすると喜ぶララ。
ララの入院は1週間。
それまでは毎日、お見舞いに来る。
電話での様子確認でも良いらしいが、私は来る。
ララに会いたい。
Sは1度も来ないが、私との関係は順調だ。
そして、ララが退院して我が家に帰ってきた日の夜だった。
今までほとんど遊ばなかったうさぎの人形。
それを咥え、私を見てクーンクーンと鳴く。
『ララ。おいで』
おいでと言っても寄って来ない。
私がララの方に近寄れば、ただただ私を見る。
クーンクーンと鳴きながら、私を見る。
『ララ。もう、いないんだよ。』
ララを撫でる。
『ララ。ごめんね。』
私の心臓近くで、ララを抱き上げる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます