side 烏

第53話

リンを最初に見た時に猫みたいだなって思った





猫だからと言って、わがままとか気まぐれって意味じゃなくて





僕が猫だって思ったのは所在なさげな雰囲気とほっておくとフラッとどこかに行ってしまいそうな感じがしたからだ





でも、





『さっきの選択肢の答は一択だよ、、、帝たちと一緒にいる』





そう言ったリンの眼は決心に揺れていて、とても綺麗だった





その言葉を聞いた王様は僕たちが見たことない表情をしていた





けど、それはとても人間らしく、すごく嬉しかったのは敬も同じだと思う





王様の別の異名は『冷徹』でそれは僕たちも否定しない





実際に王様は僕たち以外には愛想笑いしか返さないし、





だからこそ、リンがそれを本物の笑顔にしてくれたことは大きな意味を持つ





ミカにとっても僕らにとっても

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