第43話

「スズちゃんがここに住んでくれるなら色々買わないとね」





帝は嬉しそうにそう言った





「それなら瑠璃は絶対いるね」






智さんの言葉に頷く敬さん






「瑠璃さんって女の人なの?」






私の質問に






「俺はあいつを女とは言わねぇ」






「一応、女の子かな」






「頼りになるよ」






三者三様の言葉に私は黙り込む





瑠璃さん、、、どんな人なんだろう






「まぁ、今日辺りには帰ってくるだろ。仕事は早いわけだし」






「そうだね」






仕事?






それってなんの、、






「スズちゃん」






あたしが敬さん達の会話の意味を考えていると帝に呼ばれた






「なに?」






「買い物は明日だからさ、少しここら辺を案内するよ」






「、、うん」






なんだろう、誤魔化されたような気がする






これ以上は考えないでと言われてる感じがした






「敬、ちょっと出てくる」





「また、お前は勝手に、、」





「いいでしょ?ここら辺を歩くだけだから」





「、、はぁ、分かったよ」





帝は敬さんとその会話をした後、私と一緒にリビングを出た






着替えるつもりで部屋に戻るかと思ったけど、部屋に着いて中に入るとすぐ出てきた





その手には





「スズちゃん、大きいかもしれないけど、これ着て」






「パーカー?」





「うん、少し出るだけだから」






私はそれを受け取って着る






「、、、」






「でかいけど可愛いからオッケー」





何もオッケーじゃないよ





私の非難を気付いてるはずなのに気づかないふりをした帝と私は家を出た

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