第36話

智さんがご飯を食べ終わってすぐに洗い物を始めた敬さん





お母さんに見えてくるのは仕方ないと思う





「スズちゃん」





ぼんやりと敬さんを見ていると帝さんに呼ばれた





「何ですか、、?」





「大事な話があるけど、その前に、、、」






「、、、?」






少し言葉をためた帝さん





心なしか表情が暗い





どうしたのかな?





「、、敬を見つめてたのはなんで?」





「、、、え?」





「、、ぶっ」





「、、はぁ?」





帝さんの言葉に首をかしげた私と吹いた智さんに何言ってんだ?と言わんばかりの敬さん





「えっと、、見つめてないですよ?」





「うそだー、さっきまで見つめてたよー」





「、、っ、、、ふっ、、」





「、、、」






笑いをこらえる智さんだけど全然こらえれてないし、敬さんは呆れて何も言わずに洗い物をしていた






「見つめてたんじゃなくて、、、」





「うん?」





「、、、」






「なんで黙るの、言ってよ」





言ったら敬さんに怒られる気がする






「ねぇ、スズちゃん」





「、、、」





「言って?」






どうしようか悩んでいる私に追い打ちをかけるように帝さんは詰め寄った






男の人が、、というか帝さんが可愛く聞いてくるから観念するしか無くて






「、、洗い物をする敬さんがお母さんに見えてきてしまったんです」






「、、え?」





「あはは!」





「、、あ”あ”!?」





私の言葉に帝さんはそんなこと?みたいな顔をして、智さんは耐えられなくなったのか爆笑し始めて、敬さんは案の定怒り始めた





だから言いたくなかったのに、、、

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