第30話

中3の頃、親の転勤で引っ越したサトルは週末


必ずG市に来ては俺家に泊まってた。



高校に入ってすぐの事。



部屋に二人でいる時に言ってきた。



『なぁ、ユウヤ。俺、守りてぇ女がいる。』



真面目な顔して、今まで遊んできたサトルの面影は何処にも無かった。



『ソイツさ、いつも気持ち悪ぃ笑顔で笑ってんだ。』



“でも…素を見せて笑う時がたまにあんだよ。”


“その笑顔がな…頭から離れねーんだ。”



そう言ってサトルは幸せそうに笑ったんだ。




俺には守りてぇ女なんかいねぇ。



サトルが幸せそうな顔をした時



何故か不安になった。

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