第78話

歩きだした私達に彼女の声が聞こえてきた。



『その子には笑うんだね。』



私は立ち止まり振り返る。



ユウヤは少し前で立ち止まり、前を歩いていたゴウ達にツバサ達はその場に立ち止まり振り返る。



『私には笑いもしなかった。』



“いつも冷めた表情しかしなかった。”


“最後に見た時なんてユウヤもサトルも冷めた表情をしてた。”



“サトルなんかいなきゃよかったんだ。”



“その前にサトルもアンタも死ねば良かったのに。”



“そしたら私はユウヤの側にいられたのに…”



“ねぇ?どんなにユウヤを好きか分かる?”



“アンタなんかより想ってんのに…その気持ちすら受け取ってもらえない私の気持ちが分かる?”



彼女はあの日の様に話し始めた。



少しづつ私に近付きながら。

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