第18話

言葉にならず、浅い呼吸を繰り返している私の唇を軽く噛んで、律樹が口を開く。



「ごめん、もう入れてい? やっぱ、今日余裕ないわ」



「入れ、て……ご主人様……」



「っ……ったく、ほんとお前は、どこまでも可愛いね……たまんねぇ……」



更に大きくなったであろうソレが目に入り、期待に背筋がゾクリと粟立った。



「しっかり味わえよっ……」



「ひ、ああぁあぁっ!」



律樹の大きい昂りが一気に入り込んで来る圧迫感と共に、一段と激しい快感の波が押し寄せて、体を痙攣させながら達した。



ビクビクと体をしならせて喘ぐ私を、満足そうに見ていた律樹が、再び腰を動かし始める。



「悪いけどっ、今日はっ、はっ、手加減っ、してやれないっ、からっ……ん、ぁっ……」



「奥っ、きもちっ、ああぁっ、あぁっ、や、んっ……」



激しい律動に体を揺さぶられ続け、奥の一番いい部分に当たる律樹のモノを、もっとと中を締め付ける。



「ここ、好き? 奥突くとっ、ぁっ、くっ、すっげぇ、締め付けてくる、んっ、はぁ……やばっ、絞り、取られるみたいっ……気持ちぃい……あぁっ……」



律樹の首にしがみついて、自らも腰を揺らして淫らに誘う。



もっと、律樹にも気持ちよくなって欲しくて、夢中で腰を振った。



何度達したか分からないくらい、二人でグズグズになる時間は、朝方まで続いた。






暖かな布団で目覚め、気だるく重い体を起こす。



「お、目覚めたか? おはよう。ごめんな、ちょっと、暴走した……」



「おはよ。ううん、私も夢中になっちゃったから、お互い様だよ」



ちゅっと軽いキスをされ、微笑む律樹に笑い返す。



すると、律樹が真剣な顔になる。



「俺さ、彼女に……ちゃんと謝ろうと思う。遅くなったけど……」



鳳月奏夢の奴隷の事だろう。



許してもらおうとは思ってないけどと付け加え、律樹は私を見つめる。



「その……色々しといて今更なんだけど……」



何か言いづらそうに口を開いては閉じてを繰り返し、決心したかのように口を開いた。



「こんな、情けない俺でも、傍にいてくれますか?」



突然何を言うかと思えば、まるでプロポーズのような言葉を口にする。



「ぷっ……あははは」



「なっ、なんだよっ! そこ笑うとこっ!? 人が真面目に言ってんのに……何でそこで笑うんだよ……」



拗ねたように目を逸らして口を尖らせる。



「逆に私で大丈夫? 正直、その人と私じゃ全然タイプ違うよ? 私可愛い系でも、守ってあげたいタイプでもないし、普段男の格好してるし……」



「俺は美都をそういうの関係なく好きなんだよ。美都だから、一緒にいたい」



恥ずかしいような、ムズムズする感じに、顔が熱くなる。



「し、仕方ないな、そんなに私が好きなら、一緒にいてやるか」



「ふっ、生意気」



そう笑った律樹の顔がゆっくり近づいた。



「好きだよ、美都……」



「うん、私も好き」



手を握る暖かさが、心まで暖かくする。



彼といる時くらいは、女でいるも悪くないと思う。

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