1.

第2話

────花火大会のラストの花火が終わり、最終のアナウンスが流れると一気に人が流れ始めた。



一人取り残されたわたしは、藍の言動を思い出していた。



“光のこと好きになりてえってな”



今までどうして気づかなかったんだろうと思った。



好きになりたいって、よく考えれば"好きにならなければいけない"という事にもなる。



無理やりにでも気持ちを動かさなければならない、或いは動かしたい……。



最初に思ったんだった。



藍はどうしてわたしと付き合いたかったんだろうと。



真意は分からないけど、何かそれに理由があるとしたら……。



例えば、それが─────他に好きな相手がいる、とか。



だとしたら、全ての行動に合点がいく。




その子を忘れたい。───だから、好きになりたい。



その子と付き合えない。────だから、他の誰かで気持ちを誤魔化したい。



それに気づくと、妙に納得したような気分になった。



考えても仕方ないことだと分かってる。



これは……本人に聞く以外に確かめようがない。



────だけど、なんとなく。



わたしの勘は当たっている気がして。

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