第4話

ガラガラ声で、独り言を呟いている。すると坂井さんの左手が私の頭を優しく撫でて、その手は頬を覆った。そして、静かに唇を重ねてくる。


優しい、優しいキス。


紳士的な、キス。


……のはずが。


「ん…ん………ん……っ?」


私のバージンの相手が坂井さんじゃないことだけが、私にとってはずっと悔まれる。出来るなら、私の『初めて』ごと坂井さんに捧げたかった。


そう。…私の初めての人は、坂井さんとは真逆の人だった。優しくて、紳士的で、魅力的な人ではあった。不満はなかった。でも、やっぱり私には物足りないんだ。


私には優しいだけの人は、ダメなのかもしれない。なんて…。世の中の女子全員を敵に回しそうな発言は、やめておこうかな…。段々唇が強く擦り始めて、やがて唇を舌でこじ開けてきて私の舌をからめていくと、


「ハッ」


と思わず声が出てしまった。ここで目を開けたら、さらに負けだ!と思って、まだ目を瞑ったままにしてみた。


ね、寝てるんだよ、私!寝てる人に何するの?!


何、濃厚なのしてくるの?


やっと静かに、唇が離れた。


あ、やっと諦めた?と思ったら、もぞもぞと布団を被り私の下半身の方に降りてきた。Tシャツをめくり上げて、胸を揉んで乳首を舐めて、舌で刺激してくる。


!!


必死に声を我慢した。なのに、コリコリと硬い乳首を唇や舌で刺激してくると、私の腰がビクンと動いて背中が仰け反ってしまう。


寝てても起きてても、容赦ない…!


でも、気持ちいい…。


「んっ…」

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