第10話 三船の観察眼3

・・・あれ?


何か思ってた反応と違う。


ひかれたり、怒られたりするのを想像したんだけど。





「・・・いやぁ・・・ちょっと、ね・・・昔の恋愛を思い出しちゃって」





と、目を逸らして苦笑いする先輩。


ちょっと恥ずかしそうに、後ろ髪に手をやるその仕草。


可愛いらしいな、と思いつつ、そう思ってしまった自分に、ちょっと罪悪感。





「・・・まあ、恋愛って言ってもさ、私の一方的な、片思いなんだけどさ」





そう前置きしつつ、少しずつ顔の笑みが解けていく先輩。


話を中断しようか一瞬迷ったけど、もう少しだけ様子を見ることにする。


もしかしたら、先輩自身が吐き出したがってるかもしれない。





何にせよ、この状況きっかけを作ってしまったの、自分だし。


今までみたいに逃げる訳にもいかない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る