プロローグ
第1話
「暫く待っとこっか。珈琲でも飲みながら、ね?」
渋谷、夕方、とあるカフェ。
店内の比較的中央に位置する席に、座ろうとする二人。
一人は女性。
赤茶色のアウターの中には、無地の白いシャツ。
ベージュのパンツには黒いスニーカーを合わせつつ、全体としてスッキリした印象を漂わせる。
首を軽くかしげ、焦茶色のボブカットを靡かせる。
そしてその端正な顔つきで、微笑みを添え、珈琲を誘っている側でもある。
「は、はい」
誘われた青年は恐縮するように頭を下げ、少しぼさつく黒の短髪を揺らす。
深緑の中のトレーナーには、良く分からないデザインの模様が、ワンポイント。
黒一色のパンツと白一色のスニーカーは、トレーナーの醸し出す安っぽさを際立たせる。
そして、カフェのメニューを見据えると、少し大きめの丸眼鏡を押さえつつ、メニューに手を伸ばし、女性の前へと差し出した。
二人は、互いの挙動を確認するように少し間を取り、見合わせるように会釈をし、席へと座る。
女性の名は、小牧。
青年の名は、三船。
これは、二人がカフェで珈琲を飲みながら過ごした時間を、記録するものである。
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