ナガサカ
影山 みはつ
第1話 ハルカ
君は誰?
ここで羽を休めて居るのは誰?
暗いところにいないで明るいところに来なよ。
長坂 英一。
俺は、この毎日に飽き飽きして居た。
ある日、黒猫が英一のそばを歩いて行った。
飼ってもいないのに黒猫が「みゃー」と泣きながら近くに寄って来た。
「この黒猫、俺の事を好きなのか?誰も俺の事を好いてくれないのに」と英一は、黒猫の顔をそっと覗き込んだ。
黒猫にハルカと名前をつけた。
黒猫の頭を撫でて居ると、白い袋の中からフライドポテトが有るのに気付いたのか、フライドポテトを出して来て食べて居た。
英一が「これは、俺のだぞ?食べさせるわけにいかないし、そうだ。チュール食べるか?」とポケットからチュールを出して黒猫に食べさせる。
ハルカは「みゃーみゃー」と自販機の下から、黒いブラックホールに入った。
ササミが来て「あら?こんなところに英ちゃん居たの?」と昔からの顔馴染みの女性で背はスラっとしていて、カチューシャをつけて後ろ髪は肩まであった。
英一は「チュールあげたんだけど、さっきの黒猫、ハルカって言うんだけど、自販機から出て来ないな」と下に向かって顔を覗かせて居た。
黒猫は、トイレから虹色の光に包まれて、ハルカは猫から人間になっていた。
でも、お尻の上から尻尾が出て居て、ハルカは「へ?へ?へええええ。これって人間?でも、尻尾はある」とトイレの鏡を覗き込んでいた。
ハルカは「それにしても裸だし、どうしたら良いんだろう?」とトイレから出て来たハルカを見て、英一は、「もしかしてハルカ?何でこんな所に?しかも人間の姿になっていた。とりあえず女物の洋服を買ってあげよう」とハルカに近寄ると、ハルカが「ひぃー。どうしたんですか?」と身体をびくつかせて居た。
英一が「とりあえず、俺のだけど大きいかもしれないけどTシャツだけで勘弁してくれ」とTシャツを渡して、ハルカは着た。
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