Chapter 3 【動きだす影】
【動き出す影】
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「レッド エンジェルのお嬢様が、まだ見つからないらしいぞ?」
「ソイツを見つけ出せれば、相当美味しい……」
「俺らが探し出せばいいさ」
煙草の灰が、床へと落ちる……――
「ホント、可愛いらしいお嬢様だな? レッド エンジェルに差し出さずに、貰いてぇくらいだ」
一人の男が、ドールの写真を見ながら言った。その写真は、どう見ても大人にしか見えないドールの写真だ。
「命が惜しいなら、レッド エンジェルのお嬢様には、手を出さないことだな?」
「言えてるな? 死に行くような事はしないさ」
「けど、かわいいよなぁ……」
『かわいい』と、他の男が違う写真を見ながら言った。
「その写真なんだ?」
他の男たちも、その写真を覗き込む。
「“なんだ”って、レッド エンジェルのお嬢様の写真に決まってるだろう?」
「お嬢様の写真は、コレだ」
ドールの写真を見せる男。
「違うだろ? その写真はオーシャンの人魚姫だろ?」
「違うだろ?! ……お前が持ってる写真が、人魚姫だ」
「あ? 俺は、このブロンドがお嬢様って聞いたぞ?!」
「違う! ブロンドが人魚姫だ!」
「違ぇ! ブロンドがお嬢様だ!」
睨み合う二人の男……──
「どっちなんだ?! はっきりしてくれよ!!」
──果たして、どちらがレッド エンジェルのお嬢様であっただろうか? ──……困惑する他の男たち。
「なら? 多数決で決めようぜ!」
「そんな簡単に決めていいのか? ……」
「仕方ねぇーだろ!」
「仕方ねぇー……多数決だ!! 多かった方が“お嬢様”、俺らが捕まえる対象だ!!」
「ブロンドがお嬢様だと思う奴!! 手ぇあげろ!!」
男の声が響いた……──
多数決の結果は……――
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