第3話

「チーム決めるぞー。グッとパー!」




別れ話が終わり、真っすぐ帰る彼とは違って。家に帰る気にならなかった私は、近くの公園に立ち寄りベンチに腰かけている。


公園では小学生の男子らがサッカーをしている。けど、チーム分けに不満があったらしい。背の高い男の子が、背の低い男の子を、眉をしかめて見下ろした。




「なんでお前と一緒のチームなんだよー!」

「そんなひでぇ事いうなよぉ!!」




思いの丈を、これでもかとぶつけあっる様を見ると……さっきの自分が、限りなく惨めだ。


彼氏の一方的な別れの理由に「わかった」なんて。今まで築いてきた思い出を、たった四文字で帳消しにしてしまった。


縋りつきたい気持ちはあれど、それを言葉にする術を持たないというのは……惨め。コレに尽きる。




「小学生に戻りたい。そうしたら〝別れたくない〟って言えたのに」



ポツリと呟く。だけど頭の隅っこで、さっき元カレが言った事を思い出した。




――小学生と付き合ってるみたいで、全然盛り上がらねぇんだよ




なにが……「小学生に戻りたい」だ。相手の目からは、ちゃんと「小学生」に見られてんじゃん。




「はぁ~……」




しょせん。何をどう考えたところで、相手が「ダメ」だと思った瞬間にダメなんだ。小学生になろうが、高校生を貫こうが。私の根本が変わらないと、ダメなんだ。



私の根本って、どこにあるんだろう。



十六年の人生が、積み木みたいに積み重なっているんだろうか。じゃあ、それをだるま落としみたいに崩していけば、私の根本って変わるんだろうか。

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