第558話

…でも、もう。



金髪も、十字架も、必要、ない。



昨日、海乃さんにぜんぶ話せて、海乃さんが聞いてくれてもう。大丈夫だと、思えたんだ。



背中越し、響く、伊織くんの声が、私を包んで行く。



…ネックレス、海乃さんが、外して…?海乃さんに、外してもらいたいんだ。



……、



海乃さん、に。外してもらいたいんだ。



黙ってしまった私に、繰り返した、伊織くん。



…いい、の…?私、で…



海乃さんじゃないと、だめ、なんだ。




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