第78話
「さびしかったら、さびしーって、言わないと」
なぁんにも、伝わんないし、誰もそばにいてくんないよー?
静かな伊織くんのコトバ、は。
静かだからこそ、胸のうちまで、確実に、届く。
なの、に。…の。に…
「…私が、言って、も…」
「オレは、いるよ?海乃さんの本心で、海乃さんがほんとに望んでくれる、なら、ね」
間髪入れずに、ふたりきりの空間に響いた、伊織くんの、コトバ。
なぜだかふいに。
激しく泣いてしまいたい感情に、襲われる…
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