第46話

「どんな漢字ー?」



再び問われて、…あ、海、と…、と、説明をする。



「キレー、っす。ね」



その横顔が、ふいに真っ直ぐに私を見つめるから。



「…ッ…、」



コトバにならない声が、喉から漏れる。



「キレイ」



繰り返して、口の端で、笑う。



反応に困っていたら。



「…ふふ。かーわい」



もしかして、照れてますー?



なんて、今度は、はっきりからかわれているのに。



なぜだか、嫌な気は、しない。




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