2.

第17話

あれは、3ヶ月ほど、前のこと。



はじめての、土地。



心細い気持ちを抱えながら、がらがら、と、小さめのスーツケースを引きながら歩いている。



私の荷物なんて、こんな小さなスーツケースにすべて収まるくらいしか、なかったんだな。



思ったら、なんだか…



鼻の奥が、つん、とする。



その、瞬間の、こと。



「…嘘…」



思わず、喉の奥で呟いたの、は。



ばらばら、と、大きな音をさせながら、雨粒が落ちてきた、せい。




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