第14話

私の隣に腰掛けた、伊織くん。



いまだに、上半身ハダカの、まま。



「服、着ないの?」



んー、暑いから。オレ、上になり下になり、頑張ったんでー。



なんていつもの、ぶっきらぼうな、口調。



私と同様に、カップを持ち上げて、ふーふーと、執拗にコーヒーに息を吹き掛けている。



伊織くんは極度の猫舌なのだ。



やがて、諦めたように、ローテーブルにカップを置いた伊織くんを、横目で眺める。



「氷、持ってこようか?」



んー、海乃さんとおんなじの、飲みたいから、いー。



ゆるく、首を横に降ってみせた。




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