第7話
素肌に、乾いたシーツの感触。
急速に、熱を失ったせいで、今まで感じなかったその感触が、ふいに姿を現す。
もそもそと、身動きをして、その感触を逃そうとするも、なかなかうまく、いかなくて。
数回繰り返して、諦める。
「…なに、やってんのー?」
上半身裸のまま、ジーンズ姿で、黒いマグカップを両手に持って、私を見下ろす両瞳。
相変わらず、深い黒。に。
飲み込まれそうになる感覚が、襲う前に目をそらす。
気持ち悪い、シーツの感覚のことを話そうとして、うまく伝えられなさそう。で。
「…別、に」
コトバを畳んだ。
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