9.マドンナ救出

第14話

結局、マドンナを単なるずりネタにするのは、しのびないと結城は聖子先生が言っていた、慰安婦の庵に行くことに決めた。そうして、こっそり敵陣に入り込み、さおりを探し扉を開けまくる。


「きゃ!」

「うぉ!」

「なんだ!」

「わ!」


5つほど扉を開けたところで、さおりを見つける。


「さおりちゃん!」

叫ぶ結城。


「あ、相田君?」

セクシーな下着をつけたさおりにどきっとする結城。あられもないマドンナの姿だ。


「さおりちゃん、無事?」

その魅惑的な姿に動揺を隠し、かろうじて声を発する結城。


「無事じゃないよ」

悲しそうなさおり本当に美しくかわいい。


「処女を捨てたの?」

と結城。そう尋ねられると、さおりは黙ってうつむく。


「当然か、慰安婦だもんね」

絶望を覚え、結城。昨日はずりネタにしたのに、こんなに純粋にマドンナをさせていたのかと絶望する結城。


「何人としたの?」

ヒーローにあるまじき言葉。

そうじゃない、

そうじゃない、

そうじゃない、


「それを聞いてどうするの?」

さおりの青ざめの言葉。その返答を聞き、10人やそこらじゃなかもしれないと絶望する結城。慰安婦だから慰安婦だからと


―叫ぶ。

「お前、そんなに大勢の軍人とセックスしてるんだったら、俺とセックスしてもいいじゃんね! 俺とするか、セックス!」

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