第52話
「ほら、言わんこっちゃない」
妻がさつきを支えようとすると、
「仮病」
とさつきがウインクする。
「まぁ」
驚く妻。
「馬鹿なことはやめなさい」
そう伊佐木がたしなめると、さつきが苦しみだす。そうして、倒れ込む。
「また演技して」
と妻が言う。だが、今度は様子が違った。
「はぁ、はぁ、はぁ、熱が出てきた」
さつきをベッドにまで連れて行く。
「はなが怖いよぉ、はなが怖い。怖いよぉ、殺される」
さつきはベッドの中で苦しんでいる。
病に苦しむさつき。不安のままに床に就く伊佐木。そうして、ベッドの中で突如叫ぶ。脇で眠っていた妻が驚いて起きる。
「やた!ひらめいた!」
「なぁに」
「はなの倒し方だよ」
伊佐木はそう叫ぶとネットに繋がれたパソコンでタイピングを始める。脇に立ちのぞき込む妻。
「内閣総理大臣に、法律を作ってもらって、衛星や脳内ハッキングを規制してもらう!」
「まぁ」
「ナイスアイデアだろ?」
「ほんと」
「匿名でいいだろう?」
そうして内閣総理大臣にメールを書いてパソコンの電源を落とす伊佐木。
翌朝、出版社に向かいながら飛行機のような形態で走り出す伊佐木。
「きーん!ヒーローパパ、ヒーローパパ♪我らヒーロー家族は無敵だい!ひゃっほぉ!」
ジャンプ!
「戦える、戦えるぞぉ!!!!」
To be continued
(完)
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