第35話
「え?」
「はなが食べたものを吐いているってお父さんが言っているわ。はな、お母さんの料理が大好きって言ってたわね」
「え?え?」
どうして、ばれたのか皆目見当のつかないはな。だけど、窮地に立たされているのだと悟る。
は、はやく吐かないと、脂肪になる。はなは悶絶する。
「ちょっと、ごめん、おかあさん」
「はな!」
母ははなの腕をつかんだ。
「お母さんの自慢の料理を吐くな!お母さんは料理が得意だから、大好き!ってはなはいつも言っていたわね!吐くな!」
はなは焦りだす。そうして、その焦りから泣き出しそうになる。
「私はモデルなの。お母さんとは違うの。私は太っちゃだめなの。モデルなの」
母は、はなの腕をぐっとつかんだまま毅然と言い放つ。
「はな、モデルはやめなさい。お母さんのごはんを吐いて捨てるようなら、そんな仕事はくずです。お母さんのごはんをしっかり食べて、脂肪になさい」
―ぎゃあああああああああああ―
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