第30話

そうして、過食嘔吐がばれたはながどうしたかというと、母の食事を一切吐かなかった。3か月で治ると言っていたメイクさんの話を思い出す。


すると、翌朝、体重が1kg増えていた。はなは恐怖におののく。もともと、38kgだった体重が、もう40kg台に近付いてくる。


そうして2日目、はなは一切吐かずに栄養を吸収しまくった。はなは、体重が41kgに成っていた。2kg増えたのだ。はなは泣きながら吐く。臭くなるかもしれないけれど、このままだとモデルの仕事が出来なくなる。


はなは泣いた。


そうして再び、モデル業。例のメイクさんにメイクをしてもらう。そうするとメイクをしながらメイクさんはこう漏らした。


「はなちゃん、私、統合失調症になっちゃったのよ。なんでかな?ストレスかな?それで、すっごく残念なんだけど、今日でお仕事を辞めてしまおうと思っているのよ」


「はい」

はなは自分のせいだと悟る。メイクさんが言葉を続ける。


「はなちゃん、もうお別れだけど、はなちゃん。うんこの口臭治しなさいね。過食嘔吐をやめれば、ダイエット的には負けかも知れないけど、でもね、やっぱり体だによくないことだし、やめなさいね!」


本当にはっきりと物申すメイクさんだが、きっと母心だろう。はなが好きゆえに言う。


(死ね)


はなは思う。はなは子供だ。このメイクさんには、もう二度とメイクしてもらうこともないはなは、そう思うとせいせいした。ガキだ。


はなはいつも通り学校にいる。今いる学園はかなり性質のいい生徒ばかりなのか。はなの口臭に気づいているのか、気付いていないのか?誰もがたがた騒がない。だけど、はなはクラスメートが鼻に手を当てるのを見逃さない。怯えながらはな。


やはり過食嘔吐はやめられない。

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