第5話

そうして街中。


英大が、先日オリコン37位だった反戦の歌を弾き語りしている。その目の前にはギターケースがあり、そこに小銭を投げ入れてもらうようにしている。


英大の入っているミュージックレーベルが爆撃に合い、給料どころじゃないからだ。ギターを弾きながら語るように歌う英大。そこに留まる一台のハイヤー。


窓を開ける、音羽が聴き入り、


「こいつが、登った先か?」


「マネージャーが俺よりいい曲を作っているという曲か?乞食じゃねーか」


そこまで言うと、音羽はハイヤーの運転手に言う。


「おい、行け」


「待って」


だけど、音羽の脇に座る女社長。


「最後まで聴きたいの」


そうこうしていると、警察が英大の演奏を止めに入る、職務質問を受けそうになり、英大が逃げようとする。そこで女社長。助け舟を出す。


「こっちよ、乗りなさい」


逃げ場を失った英大が、扉の開いた、ハイヤーに乗り込む。

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