反戦のミュージシャン

第2話

「今日も、オリコン1ですね」


とある高級喫茶店。


ノートパソコンでネットを見ながら、音羽のマネージャー沢木。


「あたぼーよ。俺の作る音楽が最高!」


音羽。黒髪メッシュ入り長髪を頭の後ろでひとくくりしている。いつもはこれをおったてたりしている。


「あ、でも、僕の懇意のミュージシャンがランクアップしてる」


「懇意?」


「社会活動家のミュージシャンです。今回は反戦を歌っていたなぁ」


そう言って、沢木はオリコンサイトを巡っていく。


「俺を前にしてそれを言う?」


「言います!音羽さんにはもっと登ってほしいから。ただ、懇意のミュージシャンは、37位だからなぁ。前回は52位でした。登ってはいるんですけど」


ときりっとした顔で沢木。


「社会活動とか小難しいことを言っているのがまずいんじゃね?」


「でも、素敵なんですよねぇ。音羽さんより勝っている曲を作ることもありますよ。聞きます?」


そういって、マウスとキーボードをいじり動画検索をして、音楽を流す。

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