第5話
「いや・・・止めやしないよ。ただ見てるだけ。」
そう言うと、タバコの吸い口を口元に運んだ。男はタバコの煙がけむいのか微かに目を細める。
(こんな時にちゃらけてるのか?)
少年は、予想だにしなかった男の返事に思わず煙に巻かれそうになるが、真っ赤な顔で、必死に切り返す。
「・・ぼ、僕は本気だぞ!」
「・・・だろうな。」
ゆったりとした男の間。あくまでも淡々とした男の言葉に、少年はやや拍子抜けをする。フェンスに食いたてられていた、指がゆるみはじめた。少年の怪しげな眼光はすっかり消えはじめる。
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