第3話

「と…言うわけなんですよ、どうもお手数かけます。フォード先生。」




警部の呼び出しで駆けつけて来たケビンに、事のあらましを言い終えた警部は頭を下げた。




「大体のあらましは分かりました。」




ケビンは強盗の動きの見ながら答える。




「で、どうやったら捕らえられますかね? 私の安易な呼びかけで、かなり強盗は逆上し、もはや、我々の手には負えません。心理の専門の先生なら、どう犯人を捕らえますか?」




「トッド警部…僕は犯罪ではなく、児童心理の専門なんですけどね。」




ちょっと困った様な表情でトッド警部を見返し、頭を掻くケビン。




「まぁ、まぁ、そう言わずに。いつもの様にちょこちょこっとお知恵を拝借させて下さいよ。」




そういって片目をつむり、ケビンを拝み倒すトッド警部。




ケビンは両手を組むと片手を口に当てる。彼が考え込む時のポーズである。そうして、しばしの後、おもむろに表をあげると、トッド警部の耳に何かを耳打ちした。うなずいたトッド警部は、更に自分の部下にその伝言を耳打ちして伝える。警察官達は次々にトッド警部の命令を伝えあい始めた。





そして数分後――




取り押さえられた強盗の悲痛な叫び声が聞こえて来る。




「卑怯だど! 警察がそんなことしてええべか!!」




強盗の声は無視され、警察官達は男を無理矢理連行して行く。


男は負けじと声をあげる。

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