第11話
新庄は涼花の言葉にそのまま抱きしめてしまいたいと思ってしまったが、それではダメだと思い突き放す。
「僕はもう君と共に時間を過ごすことはできない。僕が独身だったらよかったんだろうけれど。僕は君の専属カウンセラーを辞退するよ」
涼花は泣く。新庄は美しい涼花をそのまま抱きしめ、唇を奪いたいと思ったが、それを押しのけ、涼花の頭に手を添え言う。
「頑張れ、涼花! 希望の星!」
涼花は泣きながらしゃがみこむ。新庄の手から頭を逃れるためだ。
「もう帰ってください。一緒にいてくれないんなら帰ってください」
新庄は涼花の言葉のままそのまま涼花を後にした。
涼花は一人、湯船につかる。
「涼花は障害者だから、だめなんだね。私は片足が無いから一生誰にも愛されないんだね」
そう一人つぶやくと涼花は乳房に人差し指を這わせる。細く白い指。手を止め、しばし湯船の温かさを満喫する。
涼花はアイドルだ。まだ、処女だった。
『頑張れ、涼花! 希望の星!』
新庄の言葉。涼花は頭に手を添えるとそのまま湯船に頭ごと漬かる。湯船から頭を出した涼花は泣いていた。
「そうだ、新しいカウンセラーは、女の人にしてもらおう」
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