第2話

涼花は右足切断が、ニュースになっていることに絶望した。


「私がかたわってファンが知っているのね! 私、もう死ぬ!」


「かたわって!」


マネージャーが涼花の言葉に叫ぶ。だけどそれに畳みかけるように叫ぶ涼花。


「本当の事でしょう! 私かたわだから死ぬ!」


涼花がメイクボックスから剃刀を取り出し、手首を切りそうになったので、マネージャーの叫びで、とうとう精神科のような拘束ベッドが用意され、涼花は拘束されながら過ごす。


「放してー! 放してー!」


涼花の絶叫。周囲の病人たちは驚きをはらんでいる。涼花は右足を切断したまま、精神病院にぶち込まれた。強制入院だ。


本当は、右足切断という大手術を受けたばかりの涼花。退院させるわけにもいかないというわけで、精神科に専属外科医師が出張治療という異常事態が起きた。


そうして、涼花、入院先に見まいに来た母に言う。


「私がかたわって、ファンのみんな知ってるの?」

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