一章:ネカマでビンゴ!

第1話

「あははは、ネットナンパ師を成敗してやるー? ってそんな感じ? それでネカマやってたの? 君も暇だねー」




オレは目の前のネカマもとい野郎に対し、高圧的に一発かます。




待ち合わせのカフェテラス。オレの目の前でアイスティーをストローでお上品に吸ってる男。この男。あんたナゼに男なんすか?




オレはいつもより数段、派手に肘をつき態度悪く足を組む。そうして、なぜだか普段より、自分を数倍大きく見せようとする、戦闘本能かしらん?




「まぁ、出会い系サイトにネカマがいるなんてのは想定の範囲内だから」




なんて余裕をぶっこいてみる。が、内実かなりの狼狽。だって、実際、野郎が会いに来るとは思わないじゃない? 普通ネカマするにも、ネットの中だけで終わるっしょー。




「で、オレをどうする気? リンチでもして簀巻きにするか?」




と言いつつ、そんなタイプでないのは、とうに分かっている。男にしてはみょーに軟弱そうな細い腕。どう見ても、オレの方が腕力は上そうだ。

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